冬景色の思い出

今年はずいぶん暖かくてありがたい。
こっちへ来てからはめったに雪も降らないけれど、故郷の福島では11月末には雪が舞っていた。

寒がりの私には、朝の通勤通学はきつかった。
自転車に乗れなくてバス通だったので、たまに父と一緒のとき以外は同行する人もいなかった。

親の転勤で中二の時に福島に戻ってきた。
田舎で建物に遮られることなく、四方を見渡すと山が見えた。
空は広く、地球の半球の空すべてを見渡せる気分だった。

寒くてつらかったけど、霜や雪に覆われた景色はとても綺麗だった。
冬は苦手だったけど、今は冬景色ばかりが思い出される。
鉛色の空と枯れた草木は人の晩年の寂寥を感じさせるものだったが。
それでも日の光が加わることで確かに美しく、私に勇気を与えてくれた。

あの頃頑張ってきたから、今も私は頑張れる。
そんな気がしている。
若さはあったけれど、先のことなんかあの頃だってわかりはしなかった。

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