現実逃避

頭がぼうっとするわけでもなく、ただ目に映る現実だけがどうにもおかしくて。
夢の自覚がない悪夢からはどうやって覚めればいいのだろうか。
そんなことを考えていました。

ベランダの手すりを乗り越えたとき、私は日常という結界を越えて別な平行世界に紛れ込んじゃったんじゃないだろうか。
窓から部屋に入ったりしなければちゃんと旦那は生きていて・・・
隣の世界では、3階から落ちて私が死んでたのかもしれない。
旦那好みのホラー小説っぽい展開ですが、子供にとってはそれは困るなあ。

たまたま選択肢を間違え続けてバッドエンドルートに入り込んでしまった。
で、リセットボタンはどこですか?

現場検証ってことは、第一発見者の私が疑われてる?
挙動不審にならないようにしなくては。
それにしても、まだまだ働けるこの状態で殺す動機はないよ・・・
たとえば浮気してたとしたってそれはないよ。

半密室に死体・・・ミステリマニアに対するしっぺ返しですかね?
創作の世界とはいえ、たくさんの死を趣味のために消費してきたことに対する?

               ☆       ☆       ☆

駆けつけてくれた義母が、先祖からのお墓がある旦那の実家での葬儀を提案してくれて、自分でできる気がしない私はそうしてもらうことにしました。

うちが片付いていなかったので、義母は義弟の家に泊まることになりました。
もともと1週間後に子供の運動会があり、そのとき義母に見に来てもらうことになっていました。
それで義弟の家ではその日義母の布団を干したところだったのです。

うちも泊まってもらえるよう干してたのですが・・・
マットレスだったため子供が下に入り込んで秘密基地ごっこをしようとし、落とされそうなので早々に取り込んでしまいました
まだ一週間あるから片づけも延ばし延ばしにしてました・・・;

義母が帰ったあと、ようやく旦那の部屋の血だまりに気づきました。
濃い色の雑巾か何かが落ちてたためか、気づいてなかったのです。
どけてできるだけ掃除しました。

入れないほどではないけど、旦那の部屋に入るのは怖かった。
死んだ旦那が怖いわけではないつもりでしたが、死はやっぱり怖かったのかもしれません。
そして自分の罪が突きつけられている、罪悪感。

旦那を見つけたのはまだ明るい時間だったのに、暗闇が怖かった。
だから旦那の実家へ一時逃避できるのはありがたいことではありました。






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